20年以上にわたり、ビデオ測定機器の分野で、初期導入からデバッグ、そしてお客様の様々な測定精度問題の解決まで携わってきた中で、測定の安定性と精度を真に決定づけるのは機器の機械的基礎であることがわかりました。今日では多くの測定機が豊富なソフトウェア機能と魅力的なインターフェースを誇っていますが、長期にわたる安定した高精度な性能の鍵は、基礎と動作構造にあると私は考えています。
私は常に、ベースとビームには花崗岩を使用することにこだわってきました。花崗岩は緻密で安定した天然素材であり、精密研磨を施すと非常に平坦な表面が得られます。さらに重要なのは、熱膨張係数が非常に低いため、作業場の温度が夏と冬で20~30度も変化しても、機械構造がほとんど変形しないことです。例えば、以前、鉄骨構造の測定機を使用している工場でメンテナンスを行った際、同じバッチの部品を夏と冬で測定した結果、5~10ミクロンの差がありました。花崗岩ベースの測定機に切り替えた後、季節による測定ドリフトはほぼ解消されました。わずか数ミクロンの公差を持つ部品の場合、この差は品質コンプライアンスにとって非常に重要です。
ベースだけでなく、ビームには花崗岩を使用するように細心の注意を払っています。メーカーによっては、ベースのみ花崗岩を使用し、ビームはアルミニウムやスチールで製造することでコストを抑えているところもあります。新しい機械は当初は良好なパフォーマンスを発揮するかもしれませんが、2~3年経つと、高倍率レンズの下でビームの微細な変形が顕著になり、光軸が不安定になることがあります。スマートフォンの金属製ミッドフレームを製造していたあるお客様は、測定データが頻繁に不安定になることがありました。問題は、材料の選択によるビームの変形でした。花崗岩のビームに切り替えた後、問題は解決し、データが大幅に安定しました。
まとめると、花崗岩製のベースとビームの安定性、軽量可動部品向けに設計されたガントリーモーション構造、そして安定した作業台の組み合わせが、画像測定機の長期にわたる高精度確保の鍵となります。私の装置をご使用いただいたお客様は、5年経っても工場レベルの精度を維持しており、安心して投資していただいています。装置を選ぶ際には、表面的な特徴だけでなく、基本的な機械構造も重要です。今後は、皆様が装置をより長くお使いいただけるよう、日常のメンテナンスとケアについてさらに詳しくご紹介していきます。