画像測定では、まずエッジの位置を特定します。エッジ検出がうまくいかないと、その後の測定はすべて不正確になります。多くの計測では、Canny法やSobel法といったアルゴリズムのみで測定しますが、実際にはそう単純ではありません。ここでは、現場で安定して測定できることが実証されている、私たちがよく使用する手法をいくつかご紹介します。
まずは照明を正しく
アルゴリズムがどれほど優れていても、照明が悪いとエッジ信号にノイズが発生します。バックライト、同軸ライト、リングライトなど、適切な照明を選択する必要がありますが、このステップは見落とされがちです。
投影を使用して大まかな位置を正確に特定する
X軸またはY軸に沿って投影することで、ピクセル列が波形に圧縮され、山と谷からエッジの位置が明らかになります。この手法は小さなノイズを平均化するため、RAW画像を直接フィルタリングするよりも安定性が高まります。
差別化:古いが信頼できる
投影曲線を微分することで、変化が最も大きいポイント、つまりエッジが強調表示されます。この昔ながらの手法は、一部のハイエンドアルゴリズムよりも現場のノイズの影響を受けにくいです。
真の精度を実現するサブピクセル精度
エッジが見つかったら、精度が重要になります。ピーク付近の3~5点を二次曲線でフィッティングすることで、1/100ピクセル精度の座標が得られます。これはミクロンレベルの測定に不可欠です。
光の反射:エッジブレイク
アルミニウムやステンレススチールの場合、反射によりエッジが欠ける場合があります。偏光フィルターを使用するか、照明の角度を調整して、ぎらつきを防ぎましょう。
雑然とした背景:いたるところに偽のエッジ
背景色がワークピースの色に近い場合、偽のエッジが発生します。背景色を変更するか、形態学的処理を使用してまず背景色を除去してください。
高ノイズ:ギザギザのエッジ
グレースケールが大きく変動すると、エッジがギザギザになります。信号を安定させるには、微分処理の前にガウスフィルタリングまたはメディアンフィルタリングを適用してください。
アルミケースとの「明るい点」の戦い
かつてアルミ製の筐体を測定した際に、照明の影響で至る所に明るい点ができて、測定値が数十ミクロンも変動していました。その修正方法は次のとおりです。
偏光フィルター付き同軸照明に切り替え
エッジ検出には投影+微分を使用
正確な位置特定のためのサブピクセルフィッティングを適用
調整後、繰り返し測定を行ったところ、変動は ±1 µm 未満であることが示されました。
照明、アルゴリズム、ポジショニング、すべてが重要
画像測定におけるエッジ検出は神秘的なものではありません。しかし、細部までこだわることが重要です。照明、アルゴリズム、そして位置決めは、すべて連携して機能しなければなりません。ソフトウェアのパラメータを微調整するだけでなく、現場で複数の設定をテストし、最も安定した設定を見つけることで、測定の信頼性を維持できます。