画像測定機におけるデュアルループ制御と格子スケールフィードバックの核となる役割

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著者

JATEN

出版
Aug 17 2025

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画像測定の分野では、お客様からよく「サーボ駆動式の機械の中には高速でも精度を維持するものがあるのに、なぜ偏差が出るものがあるのでしょうか?」というご質問をいただきます。その答えは、モーションコントロールシステムにロバストなフィードバック設計が採用されているかどうかにあります。長年の実務経験に基づき、私は自信を持ってこう断言できます。高精度の格子スケールと組み合わせたデュアルループ制御こそが、長距離移動型画像測定機において長期的な精度維持の鍵です。

このような機械では、モーターシャフトの位置とプラットフォームの位置が必ずしも一致するとは限りません。ネジのバックラッシュ、ベルトの滑り、熱膨張などにより誤差が生じる可能性があります。モーターエンコーダはモーターの角度のみを確認し、プラットフォームの真の位置は確認できません。ガイドレールに直接格子状のスケールを設置することで、プラットフォームの実際の変位を測定し、システムにフィードバックします。この二次フィードバックループにより、精度が確保されます。

格子スケールはシステムの「目」のような役割を果たします。0.5μm、さらには0.1μmという微細な分解能により、非接触かつ摩耗のない高精度なフィードバックを提供します。高速応答によりリアルタイム補正が可能になり、高速移動中でもプラットフォームを目標位置に維持します。

かつて、中速から高速のスキャン時に10μmを超える位置決め誤差が発生する機械を扱っていたお客様と仕事をしたことがあります。そのシステムはシングルループエンコーダのみを使用していました。オープングレーティングスケールを追加し、デュアルループ制御を有効にしたところ、誤差は3μm未満にまで低減し、生産要件を完全に満たすことができました。この経験から、デュアルループ制御はオプションではなく、必須であるという私の信念がさらに強まりました。

デュアルループ制御の利点は、次の 3 つの領域にまとめられます。

速度と精度 - 精度を確保するために速度を落とす必要があるシングルループ システムとは異なり、デュアルループ制御では速度と精度の両方を実現します。

長期安定性 - ネジやベルトは時間の経過とともに摩耗し、誤差が蓄積されます。デュアルループフィードバックにより、これらの影響を自動的に補正します。

干渉に対する耐性 - 温度変化、振動、ほこりなどにより機械の動作が乱れる可能性がありますが、デュアルループ フィードバックにより精度への影響を最小限に抑えます。

お客様にとっての価値は明白です。それは、正確な測定と高い効率です。バッチ検査においては、デュアルループ制御により、精度を損なうことなく高速な位置決めが実現します。長年の運用において、再校正やメンテナンスの必要性が低減し、長期的なコスト削減につながります。私はお客様によくこうお伝えしています。機器の真の価値は、カタログに記載されている仕様ではなく、長年の使用を経ても信頼性の高い結果を提供できるかどうかにあるのです。

本質的には、モーターエンコーダはモーターが「正しく回転する」ことを保証し、格子スケールはプラットフォームが「正確に移動する」ことを保証します。これらを組み合わせることで、長距離移動型画像測定機は長期間にわたって精度を維持できます。そのため、ハイエンドモデルではデュアルループシステムを採用しているのに対し、低価格のシングルループマシンでは長期間の使用により精度が低下することがよくあります。

結局のところ、機器の価値はマーケティング上の謳い文句ではなく、測定の持続的な信頼性にかかっています。デュアルループ制御と格子スケールフィードバックこそが、そのような信頼性を実現する技術なのです。

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JATEN

ラピッドプロトタイピングとラピッドマニュファクチャリングの専門家

CNC 加工、3D 印刷、ウレタン鋳造、ラピッドツーリング、射出成形、金属鋳造、板金、押し出し加工を専門としています。

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